パンプスとスニーカー

 「…………」




 ひまりも同様だったが、そんなふうにこだわりなく否定されると、天邪鬼なつもりはないのに、それはそれで残念なような複雑な気持ちになってしまった。




 「ひまが持ちたいって言うのなら、それでもいいかなってくらいかな」

 「…持ってくれるの?」 

 「うん、初めてだけどね。そういうの」




 武尊のキャラクターからすれば、その言葉は意外ではなかったが、逆に意外な気がしないでもない。


 さすがに詳しくは聞いていなかったけれど、美紀の話からしても、おそらく武尊なら相当数の女の子たちと付き合いがあっただろう。


 それなのに、そうしたことをしたことがないのが不思議だった。


 …高校生の時とかに、お揃いのものを彼女と持ったりしなかったのかな。


 なんて。




 「でも、考えてみればさ」

 「うん?」

 「ひまみたいなタイプの女の子と付き合うってこと自体、俺にとっては初めてのことなんだよね」

 「………え?」

 「だから、いろんなことが初めてでも、それはそれでいいかなってさ」




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