パンプスとスニーカー

 「…っ、同棲って」

 「ここんとこ、べったり一緒にいるあんたたちの様子に、あいつかなり思いつめてたからさ。あんがいウジウジしてるところあるし、それで諦めるか、いっそあんたに告白するんじゃないかって思ってたんだけど、まさか、北条くんの方に行くとはね」

 「む、むらちゃん」

 「法学生、女生徒を争い、刺傷事件…とか、まさか、ないよね?」




 ひまりは大きく目を見開き、猛然、ダッシュした。




*****




 「話にならないな」




 フッと笑んで、言い捨ててやる。




 「自分がひまを好きだから?…そんなのただの横恋慕の横槍ってだけだろう」

 「…っ」

 「俺がひまを好きで、ひまも俺を好きだと言って付き合ってる。それを他人にどうこう言われる筋合いはないな」




 よいせっと長い足に体重を乗せ、武尊が立ち上がった。



 「お前みたいな男に言い寄られたら、どんな生真面目な女だって簡単に堕ちる。ましてや、男に免疫がない武藤ならなおさらのことだろう?」

 「…簡単に堕ちるって、それこそ、ひまに失礼な話だぜ」

 「なんだとっ!?」

 「他人の意思の自由を認めない、自分の価値観が絶対で他人の気持ちには興味がない」

 「…なに?」




 指折り数え、怪訝に眉根を寄せて問い返してくる松田へとニヤリと笑う。




 「あとは外面がいい、だったかな。他にもいくつかあるけど…あんた、峯教授の犯罪心理学とってなかった?ストーカー心理の原則」