パンプスとスニーカー

 「あっちゃあ…まさか、そう来ちゃったかぁ」




 美紀を振り返れば、片手で顔を抑えて顔を顰めている。




 「むらちゃん?」




 怪訝に問いかけるひまりに、美紀が両手を合わせて頭を下げた。




 「…ごめん」

 「え?」

 「ホントにホント、ごめんっ」

 「えっとぉ、むらちゃん?なに、どういうことなの?」

 「殴り合いとか、マツの性格からしてないと思うし、北条くんならなおさらだとは思うけど、なんかヤバイ雰囲気だし、とりあえずはあっちに行こう」

 「ええっ!?」




 殴り合い…でギョッとしているひまりの手首を掴んで、美紀が足早に校舎の出口へと向かう。


 渡り廊下は中庭に面していて目と鼻の先だが、半階ほどの段差があって、直接行き来できないようになっているから、いざ出ようと思うとぐるっと回って行かなければならない。


 戸惑っているひまりへと、美紀がバツが悪い顔を向ける。




 「実はさ、あたし、マツに言っちゃったんだよね。武藤ッチ、たぶん北条くんと同棲してるよって…」