パンプスとスニーカー

 カフェで適当に時間でも潰すかと考えかけて、見知った女友達に囲まれるのも妙に煩わしかった。


 腕時計を確認すれば、そろそろ4限も終わる頃合だ。


 …しょうがねぇな。


 さすがに教室の真ん前で出待ちするほど盲目というわけではないが、渡り廊下の面しているこの中庭のあたりで待っていれば、通りかかるひまりを拾えるだろうと、そのへんのベンチへと視線を走らせる。


 ――と。


 会いたくもない顔を見つけて、表情には出さずに軽く眉根を潜める。


 ひまりのことがなくても、元々互いに敬遠していた相手だ。

 
 逃げるつもりではないが、わざわざ気に入らない相手と接触するのも面倒で、向かいかけていたベンチを諦め踵を返す。


 …やっぱ、カフェに行くか。

 
 が…。




 「待てよ」

 「………」

 「逃げんのかよ、北条」