パンプスとスニーカー

 ひまりにしても、そこは引っかからないわけじゃない。


 …武尊のことは、たぶん、好き…なんだと思うけど。


 根が生真面目だからこそ、恋愛に対しても当然真摯だし、ひまりの感覚は美紀に近い。

 間違っても遊びや割り切った関係など築けるはずもない。


 美紀も必要以上にひまりに干渉しすぎたと思ったのか、語気を弱めた。



 
 「まあ、良かったとは思うけどさ」

 「…うん」

 「好きなら当たって砕けろって言葉もあるし、用心するだけじゃ人生つまらないものね」

 「ははは」




 美紀の言う格言は微妙に違う気もしたが、彼女なりの励ましだと受け取って、ひまりも乾いた笑いで話を締めくくる。




 「そうそうこれも確か前にも言ったけど、くれぐれも、避…」




妊、と言い切る前に、何を言われるか予想がついて、慌ててひまりが美紀の口を押さえる。




 「む、むらちゃんっ!」

 「ごっ、もごもご、むぐ?」

 「い、言わなくてもわかってるから、そのまんま言わないで」




 ニヤニヤ笑いつつも、わかったわかったと、頷くのを見てソロリソロリと手を離せば、ぷぷぷっと笑われてしまう。




 「ホント可愛いよね、武藤ッチって」




 そんなことを言われてしまう。




 「ドンドン、イメージ変わる感じ」

 「え…そんなにあたしって、とっつきにくかったかな?」