パンプスとスニーカー

 「うん」




 それはひまりにもわかる。


 美紀が彼女を心配してくれているのも、松田を推してくれる理由も。


 もっとも、当の松田にしてみれば本人のいないところで迷惑な話だろうが。




 「…ま、しょうがないかぁ。武藤ッチが北条くんを好きで、あいつがイイって言うんじゃあねぇ」

 「えっ!?」

 「あれ?違うの?」




 あまりにストレートに言われて、思わず驚いてしまっただけなのだが、聞き返されてしまって、慌てて否定する。




 「ち、違わない…のかな」

 「なによ、それ。曖昧な」




 呆れたように言われて、ひまりも困った顔で今度は小さく頷く。




 「たぶん」

 「ふ~ん?ま、あたしなら、北条くんは選ばないけどね」




 武尊は学内でもモテる。


 もちろん好みもあるだろうが、イヤにキッパリと言い切る美紀にひまりは首を傾げた。



 「だってさ、あたしなんて壮太と子供の頃からの付き合いじゃない?」

 「あ…ああ」

 「人間としてっていうか、友達としては壮太も悪いヤツじゃないけどね。あたし、ああいう女にだらしない男だけはダメ。北条くんはそこまでじゃないにしろ、長く続かないってこと自体、やっぱりそれなりに理由があると思う」

 「………そうだね」