パンプスとスニーカー

 「松田君?」

 「うん、告白されてない?」

 「されてないよぉ」




 美紀たちに言われて…というのはあるが、一時期、そうなんじゃないかと思ったこともなくはない。


 しかし、その後、松田はひまりに普通に友人として節度ある態度ででしか接しては来ないから、たぶん美紀たちの気のせいで、自分の中でもとんだ自惚れだったなと反省したものだ。




 「大病院の次男坊で色男ヅラの北条くんには、まあ、ちょっと敵わないかもしれないけどさ、マツもあれで実家はでっかい農家だし、顔もまあまあ爽やかな硬派で、将来は検事だもん。そんなに北条くんに劣るものじゃないよね?!」 

 「いやいやいやいや」




 本人たちには、とても聞かせられないとんでも評価だ。


 しかも、どこぞの美女が両天秤にかけているというのならともかく、真面目一辺倒が唯一?の取り柄というひまりが、だ。




 「そんなこと言ったら、松田君にも武尊にも失礼だよ」

 「いやいやいやいや」

 「むらちゃん…」




 わざわざひまりの口真似をする美紀に困った顔をして見せれば、美紀もごめんごめんと素直に謝る。




 「茶化してるわけじゃないんだけどね。マツは友達ってだけじゃなく、男としてみても、安心っていうか…悪くない男だからさ」