パンプスとスニーカー

 「…………」

 「…………」

 「…………」




 かあぁっと顔に血が昇る。

 
 口にしたのは衝動でも、ただの思いつきなんかじゃなかった…たぶん。


 熟慮の結果かと言われると、それも困ってしまうが…。

 
 武尊の視線を頭のてっぺんに感じつつ、それでも自分の思ったことを言わなければと、ひまりはつっかえつっかえ、なんとか自分の今感じている気持ちを伝えようと声を絞り出す。




 「それって…」

 「そ、その…えっと。あたしも…よくまだ、わかんないんだけど」

 「……うん?」




 急かすでもなく、待っていてくれる武尊の心配りに励まされながら、ひまりはこの一ヶ月弱の武尊との同居生活で感じていたこと、高崎恵梨香に武尊と付き合うつもりだと宣言された時に感じた気持ちを思い起こしながら自分の中を整理してゆく。




 「あたし…武尊のこと、嫌いじゃ…ない」

 「……………」




 返らない返事に、自分でもあまりに婉曲的過ぎたと言葉を探し直す。




 「えっと、たぶん…好き、なんだと、思う。