パンプスとスニーカー

 寝巻きがわりにTシャツと短パンくらいは昨夜貸しはしたが、さすがに着替えのことまでは念頭になかった。




 「あ…いや、むらちゃんにね。何着か着れそうな服借りたから」




 とはいえ、あまりに洋服の趣味もサイズも違いすぎる二人だ。


 借りたとは言ってもせいぜい中着、それも2、3着程度のことなのだろう。


 今着ているカットソーも、彼女がいつも着ている服より、若干色や柄が派手目な気がした。




 「もうこんな時間か…」




 部屋に入ってひまりが壁掛け時計に目をやり、ため息をつく。


 気が付けば、もう昼もとうに過ぎ日も落ちて、すっかり夕刻の時間帯だった。


 部屋には入ったものの、ソファに座ろうとしないひまりに武尊が首を傾げる。




 「お茶飲まない?さすがに夕食まではまだ時間あるし。それとも寝室に戻って、一休みしたい?」

 「あ…いや、そうじゃなくって、そろそろ失礼しようかと」