パンプスとスニーカー

 ニコニコ笑う祖母の顔は本心なのだろう。


 しかし、武尊の祖母も老齢者の例に漏れず、基本早寝早起き、朝食も起きて早々きっちり食べるタイプだ。




 「珍しいですね?おばあさまが間食なんて。あまり食べてらっしゃらなかったんですか?」

 「…あ」




 申し訳なさそうなひまりの顔を見て、武尊もすぐに気がついた。




 「すみません、もう朝ご飯食べてらしたんですね?」

 「いいのよ。年をとったせいか、最近いつもたくさんは一度に食べられないから、その分お腹が空いて、けっこう途中でつまむの。おやつにちょうど良かったわ、それにとても楽しかったもの」

 「はい」




 嘘ではないだろう。

 しかし、




 「バカね、あんた。普段は、嫌味ったらしいくらいにあれこれ気が付くくせに、こういう時にかぎって、気が利かないっていうか」




 姉の言葉に武尊は顔をムッとしかめた。


 その嫌味なくらいに気が利くようになったのも、この目の前の『お姉さま』たちの手荒い薫陶によるものだったから。


 …俺だってたまにはうっかりすることくらいあるっつーの。




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