パンプスとスニーカー

 物珍しげにキョロキョロ周囲を見回しているひまりを横目に、半ば寝入ってしまっている姉をソファへと横たえる。




 「一姉、大丈夫か?」




 一応は心配して声をかけるが、当の姉は呑気にソファクッションを片手で引き寄せ、寝る体制に入っている。




 「ハァ…しょうがねぇなぁ。大して強くないくせに、酒好きなんだから」

 「あ、お水か何か持ってこようか?」

 「いいよ、寝たし、後で俺の部屋に適当にブっこんでベッドに寝かせるから、平気。それより、武藤さんもそこに座りなよ、救急箱持ってくる」

 「え?」

 「足、痛いんだろ?」

 「ああ」




 武尊の部屋の観察に忙しくて、すっかり忘れていたらしい。


 テレテレ笑っている顔が妙に可愛らしくてクスリと笑ってしまう。




 「なに?」

 「ん?」

 「なんか、笑った」

 「ああ、いや、別に。ほら、座ってて」




 今度は返事を待たずに、さっさと救急箱を取りにゆく。


 間をおかずに戻ると、ひまりが一佳の襟元をくつろげたり、無理な姿勢を直してやったりと、甲斐甲斐しく世話をしていた。




 「あ…」