パンプスとスニーカー

 えらい言われようだが、元来男とはそんなものだし、そもそも清らかな、もなにも、そこまで武尊もひまりの事情を把握していないし、一佳だとて同様だろう。


 が、もちろんそんなことは言えない。


 それにしても、


 …いったいどういう根拠だよ。


 とはいえ、ひまりがイケイケで経験豊富な女だとは、武尊にしても考えられなかった。




 「武藤さんが同意したらどうする?」

 「あら、それこそいい大人の男女じゃない。親や兄弟が口出すことじゃないでしょ?」




 ひまりの親や兄弟はまったく違う意見だろうが、ケロッとそんなことを言われてしまう。




 「…………」

 「武尊」




 なんと姉を丸め込もうかと思案していたところを、祖母に呼びかけられる。




 「はい?」

 「今日はもう遅いですから、私はそろそろ帰ります」

 「そ、そうですね。じゃあ、今車を」




 祖母は言いかけた武尊の言葉を柔らかく遮り、一佳へと視線を向ける。




 「あなたは、明日お休みよね?」

 「ええ、久しぶりのオフ」




 にんまり笑い合っているように見えるのは、気のせいだろうか。


 …何企んでるんだよ。


 口にすると、現実になりそうで、それが怖い。



 「では、私は一人で家に帰るので、あなたは久しぶりのオフを楽しんだら?」

 「ええ?いいんですか?」

 「ええ」

 「おっし!じゃ、今度はお姉さんがあんたたちをど~んと、遊びに連れて行ってあげましょう!」