パンプスとスニーカー

 …聞くとこ違うだろ。


 ひまりがびっくりした顔で、一佳に尋ねている。




 「そう、さすがに居間とかキッチン周りは一つだけどね。部屋数はあるし、書斎もあるから勉強するのにもぴったりよ」

 「凄い。大学生なのにそんなすごい部屋に住んでるなんて、北…じゃなくって、タケちゃんって、本当にお金持ちのお坊ちゃんなんですねぇ」




 …だから、タケちゃんはやめろって。


 うんざりしつつ、だが、祖母の手前、言い出せずに諦める。




 「じゃあ、決まりね」

 「「えっ!?」」




 武尊もひまりも同意などしていないのに、いつの間にか決まったことになってしまっている。




 「じゃあ、さっそくひまりちゃん、お友達に連絡して」

 「ええっ!?」

 「ほら、今夜泊めてもらうことになってたんでしょ?武尊、あんたはいくら彼女だとはいえ、よそのお嬢さんをお預かりするんだから、くれぐれも粗相がないようにね。…間違っても夜這いなんてするんじゃないわよっ」



 
 さすがに後の言葉は、ひまりや祖母たちから離れて、小声で耳元で囁かれた。




 「預かったお嬢さんなら、普通男と同居させるようなヤバいマネさせるか?」

 「なによ?あんた、まさかあんな清らかな子に無理やり襲いかかるようなケダモノなの?」