パンプスとスニーカー

 「まあ、なんということ」

 「ええっ!?大変だったんじゃない」

 「………」




 祖母や姉の驚きももっともなことだった。


 一応なんとはなく耳にしていた武尊も、あらためてひまりを気の毒に思う。


 とはいえ、最初小耳に挟んだ時には、自分ばかりがツイていないわけではないと、溜飲を下げるネタにした程度でロクな感慨ではなかったが。




 「じゃあ、これからしばらくお友達のお宅に間借りして?」

 「ええ、さすがにずっとってわけにはいかないので、早いうちに目処を立てて、なんとかまた自活しなきゃって思ってるんですけど」




 溜息をつく横顔が深刻そうだ。


 それはそうだろう。


 武尊のようにカードを止められるの、止められないの、そんな次元ではない。


 生活に直結しているひまりにとって、死活問題だろう。




 「でも、お友達の家じゃ、気兼ねして、勉強もままならないんじゃないの?」