パンプスとスニーカー

 …う、しまった。




 「前の日は違う人の家に泊まったの?ひまりちゃん?」




 別に隠すことではないだろうが、なんとはなしに嫌な予感がある。


 それでも、どうしようかといった顔をして、無言で武尊に問いかけてくるひまりに確認を取る。




 「えっと、事情って話しても、問題ないかな」

 「あ…その、別に、かまわない、けど」




 戸惑った顔をしているのも当然か。




 「とか言っても、俺もまだ全部が全部、む、むとぴ…武藤さんから事情を聞いてるわけじゃないから、現状を把握できてないとは思うんだけどね」




 言葉を濁したが、まずかった気がする。


 …彼氏が彼女の事情を把握してないとか、ありかよ。かと言って、いまさら普通に友達の家に遊びに行ってるだけとか、ちょっとアレだよな。


 自分で自分にツッコミを入れるが、とりあえずは祖母や姉のチェックは入らなかったようだ。




 「何か、事情があるの?」
 
 「実は…」




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