1話



「ハアハア…」タッタッタッタッ…
私はどこを走ってるんだろう、暗くてどこまで続くか分からない。

「逃げないと…」
逃げないと…あれ、なんで私は逃げてるの?

「あっ…!」ズザッ
こんな時に転んでしまう私。そして地面に這いつくばる私に覆いかぶさるように《ナニカ》が…



ドサッ
私はベットから起きた。
「また夢…」
そう呟きながら学校への支度をする。

「おはよう、鞘花」
「おはよっ!おねえちゃん!」
このふたりはお父さんの篠崎奏翔と妹の篠崎結月だ。お母さんは、結月を産んですぐに死んでしまった。

鞘花「おはよー、朝ごはんは?」
奏翔「もう用意出来てる」
鞘花「ありがと。いただきまーす」

パンを食べ始め、雑談をする
鞘花「パパァ、人気の男の子ね?またラブレター貰ったらしいよー」
奏翔「へえ、モテモテじゃないかその子、逆に大変で疲れそうだなぁ」

結月「パパー、お家ぐらし付けてー!」
奏翔「結月はまたアニメかぁ、鞘花は学校そろそろ行かないとやばいんじゃないのか?」

さっき食べ始めたばっかなんだからまだ時間はある…はず……
鞘花「ってやば!行ってきまーす!!」
奏翔「いってらっしゃい」
結月「いってらっしゃーい!」

少し残ったパンを口に詰め込み、結月の頭を撫でて待ち合わせ場所に向かった。



鞘花「ごめん!遅れちゃった!」
「遅いよーもう!」
この子は佐倉遼ちゃん。勉強は出来て運動は中の上でみんなと仲良しな女の子

「まあ良いじゃないか、まだ時間はあるしね」
彼は誠くん。名門【帝城】の一人息子。彼は女子から人気者で朝話してた子だ。

遼「んで?また夢見たの?」
鞘花「うん…1週間前からだよ?本当やだなぁ」
誠「へぇ…予知夢かもね!」

鞘花「え?いやいや!あんな不気味なな事が現実で起こるなんてやだよ!」
誠「あはは、まあ夢ではそうかもしれないけど現実だからねー、ただ追われてお終いかもしれないよ?」

遼「いや、それだけでも怖いわ!」
そう晴香ちゃんがツッコミをいれてくれる。心の中でナイスと思いながら私達は学校へと歩いていった。



先生「さて、皆さんに今日お話があります!」
先生から話はチャイム着席が遅いとかがほとんどだから少し嫌だ。皆少しざわついている

先生「はい!お静かに!…先生から3つ話があります。まず、一つ目はこのごろ行方不明になる人が多くなっています、皆さんも帰りは気を付けて下さい。二つ目は近々全クラスにエアコンがつくようになりました!夏はエアコンをつけながら授業をしますよ!さて、三つ目ですが…」

ガラッ
扉の開いた音だ。そこで先生は言葉を止め、扉の方を。クラスメイトも全員が見つめる

みんなに注目され入ってきた女の子は
男子も女子も皆が見とれてしまう程の綺麗な女の子、学級委員の丈弥悠里さんだ

丈弥さんは一瞬皆の方をチラッと見たあと先生の方へ歩み寄る。

先生「丈弥さん、どうだった?」
丈弥「はい、結果は青でした。なのでモチーフは青などが良いかと」
なんの話をしてるのだろうか、青色の話?

先生「はい、皆さん三つ目です!」
そこで先生は笑顔で三つ目を発表する
先生「体育祭のクラスカラーでこのクラスは…青です!」
体育祭のクラスカラー、確かに重要なお知らせだ。その時、クラスが一気にざわつき始めた。
「青って言ったらやっぱ富士山だよな!」「青なら海とか雪だよねー」「青より白とかの方が良かったわぁ…」意見は様々だったが少しうるさいなぁ

先生「静かにー、それじゃ、丈弥さん号令お願いします」
丈弥「起立、きょうつけ、礼」
「「「「ありがとうございましたー」」」」

遼「ねね、鞘花青だって!私はやっぱ水だなぁ」

遼ちゃんがすぐに話しかけてくる
鞘花「確かにねー、花とかなら…バラかな?」
遼「えっ?…あぁ、確かにあるけどそれはない」
そんな雑談をしながら私達は、今日を過ごす

前に立った丈弥さんは説明を始める
丈弥「今回と次回の学活では、体育祭で使う旗のデザイン案を考えてきいます。旗は案外でかいので描いた絵は目立ちます」

先生「2-3のイメージカラーは青です、青のイメージに合うものを描いて下さい」
そう言い先生は辺りを見回す。

先生「そうね、まずは紙を配りますのでそれに何を描くのか考えましょう、次回もあるのでそんな悩まなくて良いですよ」

鞘花「旗か…」
青い旗、キャラクターなども考えるけど誰かと被るといやだな。無難に…あれ、案外思いつかない。だけど他の人は考えてるし…結局今回は何も決まらずに授業が終わった

~休み時間~

皆は丈弥さんに意見を聞こうと机に集まり始めた

クラスメイトA「丈弥はどんなのにすんの?」
クラスメイトB「全員のやつ合わせて考えるの?」

クラスメイトC「丈弥さん、どんなのにすればいいと思う?」
クラスメイトD「イチゴとかでもいいの?」

学級委員ってあんな大変なのかな…それとも丈弥さんが特別とか?
3時間目の後の休み時間も質問攻めにされている丈弥さんは、疲れてもないようで凄いなぁ

遼「うわっ丈弥さん人気だなぁ、流石優等生って感じ」

鞘花「確かにね、流石に学級委員ってだけじゃああんなに質問されないし、元がいいんだよ」
私もいつかあんなふうになれるのかな…なれたらどれだけ楽しいんだろうか

遼「給食当番まで聞いてるよ…仕事忘れるなっつーの!」
誠「やあ、2人は決まった?何描くか」

遼「あ、誠」
鞘花「ううん、少しも決まってないよー、何にしようかなぁ」

男子A「ったー!やめろよなー!w」
男子B「ちゃんとしろよー!w」
男子C「おいおいw」 ドンッ

遼「なっ、席の近くでハシャグのやめてくんない!」
鞘花「はぁ、邪魔だなぁ」

男子A「おわっ、佐倉さんコエェェェ!」
遼「はぁ?なに」
「アナタ達、席につきなさい」

遼「え?あっ、丈弥さん」
男子達はマヌケな顔して、その後、悔しそうに自分達の席に戻った。

鞘花「えっとありがとう」
丈弥「気にしないで、注意しただけだし」
丈弥さんは微笑みながらそう告げると自分の席に座った。やっぱり丈弥さんは優しくて私の憧れだ

遼「丈弥さん優しいね、やっぱ!」
鞘花「だね!誠くんもそう思う?」

誠「みんなに常に気を配っていて僕じゃ出来無いと思う。丈弥さんって凄いね」
遼「あんなふうになれたら…いや、大変そうだしなぁ」
私達の班でも丈弥さんは人気だ。



遼「ねえ鞘花ぁ、今日もよってかない?」

鞘花「ああ!アレだね?良いよー」
アレとは、デパートの4階にある芸術品コーナーの事だ。
遼ちゃんは子供の頃、遼ちゃんのお母さんが描く絵が好きで美術品にハマった。

しかし、その性格からか皆に、遼ちゃんは芸術品が好きなんだよと教えると聞いた人は驚くのだ。まあ、私も幼なじみじゃなかったら驚いていただろうしなぁ。そんな事を思いながら遼ちゃんと私は芸術品を見にデパートへ向かう