「あ、あの、アタシ何か手伝いますよ?」

來先輩が皆の荷物を持っていたから

アタシは声を掛けた。

柚矢も部屋の手続きで居ないし。


「…、久しぶりに見た」


へ??

來先輩が呟いた。


「柚矢の“彼女”。」


彼女??

って、アタシ??


「あ、えっと・・・。」


「ずっと、居なかったから。女、嫌ってたから。」


へ・・・へぇ~


知らなかった。


「良かった、柚矢に大切な人できて。」


「あ、あの。」

「ん??」


「わ、分からないことあったりするんです。」

「柚矢のこと??」

アタシはスカートの裾を握った。


「大丈夫、アイツ良い奴だし。」

來先輩はそのままホテルへ入っていった。