午前の授業が終わり、俺は弁当を食べ終えて屋上にいた。
いつもと変わらず平凡である。

屋上から校庭を見下ろす。サッカーやバスケットボールなどをして、元気に動く学生達が見える。

「おい吉田、何やってんだ？」
声のした方向を見ると、そこには同じクラスの植田健太が立っていた。

「何って...校庭を見てたんだよ」

「楽しいのか？」
愚問である。校庭を見て楽しいと思う人間なんてこの世に存在するのだろうか。

俺はあえて返答せず、再び校庭を見る。

「まあいいさ。授業に遅れるなよ」

植田の姿が校内に消えたのを見て、ため息をつく。空を見る。
先程まで晴れていたが、今は黒雲が空を覆っている。

「降ってきそうだな」とつぶやき、校内に戻ろうとする。



その時だった。目の前に雷が落ち、俺はその衝撃波で空中に投げ出された。

あぁ、俺の16年の人生はここで終わるのか...
地面に叩きつけられた俺を見て、友人は悲しむだろう。泣き出す奴もいるかもしれない。

そんな事を考えながら、落下していく。たった20ｍ程落下するのが、まるでスカイダイビングのように長く感じられた。









地面に落下した。痛みを感じず、すでに息絶えていたのかと思った。
だが、起き上がって確認すると、不思議と打ち身程度ですんでいた。

安堵して辺りを見回し、絶句した。
目の前に、巨大な三連装の砲があった。
そして、30mはあろうかと思うほど巨大な塔がそびえ立っていた。

「これは...戦艦、大和！？」