薫がいる場所は
なんとなく予想がつく
2年も付き合っていれば
勘が働くのであろう
ガチャッ
あたしは屋上の扉を開けた
雲一つない空
太陽が眩しい
あたしは大空の下に
大の字になって
寝転んでいる
薫を見つけた
「薫ー!!」
薫があたしの声に気づき
ムクッと起き上がった
「なんや」
薫の低い声…
薫が怒っていると
いつもトーンの低い声だ
「あの……ごめんね」
「………」
黙ったままの薫
あたしは下を向いた
「嘉穂はなんで俺に謝ったん?」
低い声は続く
「なんでって…」
なんでだろう?
歩香や純が
薫に謝れって言ったから
あたしは薫を追いかけた
薫の質問に答えられる
言葉が見つからない
「やっぱりな…歩香と純に謝って来いって言われて来たんやろ?」
図星だ
あたしは頷くことしか
できなかった

