『うん』



私がその場面を思い出しながら答えた。



きっと私の目には涙が溜まっていただろう…



さみしいなんて思わなかったはずなのに…


でも、なんでこんなやつに答えてしまったのか疑問に思う…



『おい、絶対泣くなよ。』



『うん』



何かが頬を伝って落ちるのがわかる。



『おい、俺がお前の家族になってやる。だから泣くな。』


そう言いながら私を抱き寄せてきた。



この言葉で何人の女子を口説いてきたのだろう…



こいつの性格を知ってる私でもドキッとしてしまう。



『うん、ありがとう…でも、あなたの家族にはなりたくないから』



私はそう答えると東堂くんは思ってたのと違う答えが返ってきたのかビックリしていた。



『あのなぁ~…まぁ…部屋に案内するから来い。』



『うん』



色々なことがあったせいか女子たちのイジメのせいかもうへとへとだった。



私たちは長い階段を上って3階の白とピンクのドアの前に立ち止まった。