『こんな時間に誰だろう?』



私は、そう言いながら玄関に出た。



『はい!!』



『花里愛~』



そう泣き叫びながらひとつの影が私に抱きついた。



『加奈!?どうしたの?まだ、5時だよ!』



『どうしよう…これ…』



そう言って差し出された両手には昨日作ったはずの割れたタルトがあった。



『これ、どうしたの?』



『落として割れちゃったよぉ~』



やっぱり…



『作り直すしかないでしょ!』



『花里愛、手伝ってー?』


『はぁ…しょうがないなぁ!』


『花里愛ありがとう!』



加奈は、笑顔でそう答えた。