マスク少女


ブチッと鈍い音とともに、マスクを取られた。


「返して!!!」

ジーッと私を見下すようにみてる七瀬くん。
やだ・・・みないで。


お願い。


「なんで、こんなこと。」

「おまえさ、前と全然変わってないな、顔。」

「なっ!当たり前でしょ!整形とかしたわけでもないし。」

何言ってるのこの人?

「今の学校生活は楽しいか?」

「楽しいよ。」

「ずっとマスクしてんのか?」

「してるよ。」

「なんでさっき寝たフリしたの?」

「・・・。」

なんでこんな質問攻めにあってるの私!

なんで寝たフリしたかだって?それは七瀬くんが一番わかってるんじゃないの?

「なんで?」

「あなたと・・・、七瀬くんと関わりたくないからだよ!!」

言ってやった!
七瀬くんは私がこんな風に言うと思っていなかったのか、一瞬目を開いた。

「へー。俺と関わりたくないから、ね。」

「な、なによ!」

「そりゃそうだよな。あんな事したんだもんな。」

スッと七瀬くんの手が私の頬を優しく包む。私は七瀬くんの目をみる事しかできない

え、なに。

ねえ、なんで?どうして。
七瀬くんの表情はとてもツラそうな顔をしていた。

「な、七瀬く、ンッ!!!」

唇に柔らかい感触。これって、七瀬くんの!
なんで急に!

「いやっ、やめて!七瀬くんっ!」

「黙れよ。」

なに、なんでキスするのよ。私があなたを忘れる為にどれだけ・・・。