カッカッカッと先生が転校生の名前を黒板に書きだした。

「では自己紹介して!」

「はい!初めまして、七瀬和樹です。宜しく!」


間違いない。彼は…

「「「キャアアアアア!!」」」
「かっこいい!!」
「爽やかイケメンね〜」
「松本くんには負けるよー!」
などとクラスの女子が騒ぎ出した。


な、なんで、ここに。

いつの間にスカートを握っていたのかシワになってる。

どうしよう。私だってバレませんように!!!

七瀬君がクラスを見わたす。
バチッと目があっちゃった!
私はすかさず顔をバッと逸らした。

どうしよう、不自然だったかな。
うう…。


キーンコーンカーンコーン

「ではホームルームは終わり〜!一時間目の準備をしてね〜!」

バイバイとでも言うように先生は教室を出て行った。

私、早くここから逃げたい!
ガタッッ!!

「え?しぃ?!!」

あすかの声も今の私には届かなくて、無我夢中で教室を抜け出た。