未だに、今の状況に追いつけないリリーは、

リヒトに聞いた。


「えッ。あっあの。リヒト君ッ。」


リヒトはアーテルの方を向いていたので、

リリーの方を向いた。


「なんだ?」


リヒトはなんにもないように聞いてくるので、

リリーは少し動揺しながら聞く。


「どっどういうことですか!?」

「どういうことって?」

リヒトは、不思議そうな顔をする。


「あの…この人は私を捕まえようと

 していたんじゃないんですか?」


リヒトは、

そういうことか。という顔をすると、

説明し始めた。

「あぁ。俺もはじめはこの人。

 本気で捕まえようとしてると思ったが…。


 でも…何となく途中からはコイツ完全に

 演技だということが分かったよ。


 最後らへんで…だけど…な…。


 俺が本気で相手をしてたんたが…。」


アーテルを呆れた目で見るリヒト。

アーテルはアハハ…。と笑う。遠慮深く。