アーテルは目を見開くと、

両手を上げて降参のポーズをとる。


「フッ……全く。君は……。降参だ。

 君の強い意志には勝てない。

  
 君はそんなに女に惚れ込んで、

 家まで潰す勢いで私を攻めるとは…。
 
 驚いたよ。君の姿を見た時は…。」


先程までの緊張した雰囲気はなくなった。


「だろ?っていうか、

 なんで俺だと分からないんだよ!?

 最初…本気で分からなかっただろッ?」


まあまあ。といった感じでリヒトを宥める。

「ごめんごめん。

 …でも…見破るという方が無理だ。」


「はぁ。これで何回目だよ…。」

リヒトは頭を抱えた。

結構ショックを受けたらしい…。