アーテルはため息をつくと、また喋り始めた。

「リヒト君。君は騙されている。

 だから、その少女を渡しなさい。」


リヒトはアーテルの言葉に拒否する。

「あんなに俺達に銃を向けていたのに、

 今になって何を言い出すつもりですか?


 俺は、貴方を信じることは無い。


 リリーに、散々…酷いことを

 言ったんですから。」


アーテルはリヒト達の方へ、

ゆっくりと歩み寄る。


「本当に君の考えている事が分からない。

 何故、化け物の言うことを聞く?」


アーテルの言葉に

リヒトは怒りを感じる声で言った。


「リリーは、化け物ではありません。


 それに…俺はリリーを守りたいから、

 こうしているんです。


 誰にも俺の意志を曲げることなんて

 出来ませんよ?」