―精霊の祖の恋物語― 後編





でも次のリヒトの言葉で分かった。


「ちゃんと守ることできなかった。」


リヒトはギュッとリリーを抱きしめる。

リリーも優しく抱き返して、頭を振った。


「ううん。リヒト君はちゃんと私を

 守ってくれました。有難うございます。

 リヒト君っ。」



そんな感じでリヒトとリリーが

話をしていると…


「リヒト君ッ。君は、一体…!?」


そう言い、少し怯えた表情で

アーテルは後退りする。


リヒトはその行動に多少…

ショックを受けながらも返事をする。

「…なんですか?アーテルさん。」


まだ僅かに、

リヒトの周りには風が舞っている。


そして瞳の色は、

いつの間にか元に戻っていた。