―精霊の祖の恋物語― 後編





「なんだと…?

 どういう方法で手に入れたんだ?

 そんな化け物の力ッ。」


アーテルは、取り乱した様子で叫んでいる。


そんな様子を気にする事なく、

リヒトはリリーの手鎖を

精霊力で生み出した風で真っ二つに斬る。


リリーは今にも泣きそうな顔で、

「リヒト君ッ。」

と大きな声で言って、リヒトに抱きついた。

リヒトは笑みを浮かべて、

優しくリリーの頭を撫でる。


「ごめん、リリー。」


リリーはいきなりリヒトが謝りだして、

なんのことかさっぱり分からず…ポカンとする。


「…えっ……?」