「ふっ…。馬鹿な奴。殺れッ!」


…そう言ったと同時に、

暴風が吹き荒れる。

シオン達は、床に伏せて

飛ばされないようにする。


アーテルやブランも飛ばされないように、

デスクや壁にしがみつく。


アーテルは驚愕の表情で大きな声で言う。

「何ッ!?」


銃を持っていた十数人は殆ど

壁やら何処かに身体や頭をぶつけて

気絶していた。


まだ意識のあった者は発砲するが、

リヒトが纏っている風によって弾かれた。


「今。精霊の祖は、精霊の力を使えない筈…

 しかし、あれほどの精霊力ッ。

 誰だッ。

 お前の背後にまだ怪物がいるのかッ!」