「貴方もそう思いませんか?

 もしかしたら、

 この世界なんてあっという間に

 塵にしてしまうほどの力を持っている

 なんて、話も出ているんですよ?

 普通そう思うでしょう。

 思わない方がおかしい。」



アーテルを睨んで、

リヒトはきっぱり否定をした。


「リリーはそんな事はしない。」


「ほぉ。そう言うんですか。

 という事は…この少女は本当に

 精霊の祖なんですか。」


アーテルは目を細めて

リリーを薄ら笑みを浮かべてじっと見る。


リヒトはそのアーテルの目線からリリーが

見えないように自分の背中の後ろに隠した。


「……俺はお前なんかにリリーを

 渡すなんてことはしない。」


「それはどうでしょうかね…?」



「なんだと……?」

リヒトがそう呟くと同時に……。