「そっ、そうか?

 じゃあ、さっきの話の続きだ。

 リヒト君の隣にいる少女。

 リリーと呼ばれていると聞いていたが…

 その少女は、精霊の…祖…なのか?」


先程の動揺していた様子はなくなり、

真剣な目つきでアーテルは聞いてきた。


シオンは何も話さない。黙ったままだ。

ルミエールや、ソラーレも同様。


リリーはビクッと震えるとリヒトの後ろに

隠れて、リヒトの服の布を掴む。


リヒトは片手を後ろに持っていき、

リリーの片手をギュッと握った。


「リヒト君…。」


ポツリとそう呟いたリリーに、

アーテルは目を向けた。


リリーはアーテルと目が合うと、

リヒトにピッタリとくっつく。


「リヒト君。君に問う。

 先程から君の傍にいる少女は、

 精霊の祖なのか?」