「私は。
リヒト君の前からいなくなりません。
リヒト君がいてくれたから、
自分の過去と向き合う事ができたんです。
リヒト君が傍にいるから、
私はこうして自分のしてきた事を
受け入れて、笑顔を向けられるんです。
もし……
リヒト君の傍にいれなくなったら、
きっと私は心の支えが無くなり、
暴走するかもしれません。」
リリーはそう言い終えると、
涙目になり俯いて、ポツリポツリと呟く。
「こんな私が…
リヒト君を愛してしまいました。
好きなんです。ごめんなさい。」
リリーは涙を流す。
リヒトはリリーの涙を片手で拭い、
優しく抱きしめる。
「今日のリリー、よく泣くな?」
「いきなりなんですか…。…バカ…。」
リリーはリヒトの言葉に
ポフッと顔を真っ赤にした。
「いや、リリーの気持ちが分って、
俺がリリーにとってどういう存在なのか
知ることができたから、
嬉しいんだよ。」
リヒトはもっとギュッとリリーを
抱きしめた。
リリーも強く抱きついた。

