一方のリリーは、口をパクパクさせる。


「そんなッ。

 こッ、ことにはなりゃないでしゅッ!!」


そう言うと…ブンブンと頭を振った。


「リリー。噛みまくってる……。」


リヒトはそう呟きながら、

リリーを抱きしめた。


「リヒト君……?」


「絶対に、俺から離れるなよ。

 俺の前から消えて行くな。リリー…。」


リヒトはリリーの首元に顔を埋める。


急にそんなことを言い出した

リヒトに驚きながらも、

大人しくなったリヒトの頭を優しく撫でた。


「どうしたんですか?リヒト君。」