「でも…なんか聞いたことがあるんですよ…。

 神界の方で……なんでしたっけ?」


リリーはんーと考える仕草をし始めた。


しばらくその状態が続くと…

リヒトが口を開いた。


「…髪色が変わらなくてよかっただろ?

 それだけ分かればいいし……。


 まあ、授業で変わったときの場合は…

 適当に理由言っとけばいいだろ?


 見間違いだとか…。」


目を逸らし、苦笑いしながら言うリヒトに…


「えっ…。

 それは…少し無理があると思います…。」


リリーも揃って苦笑い。


「まあ…そうだよな…

 もう…その時、考えればいいだろ。」


「……ふふッ。

 リヒト君は…面白い人でもあって、

 変な人でもありますね。やっぱり。」


「はぁ…。そうか?」


「はい!!」と元気よく返事をした

リリーだが…

次第に泣きそうな顔になっていく……。


リヒトは何故リリーがそんな顔をするのか、

分かった。


きっと……。

“自分が巻き込んでしまった”

と思っているんだろう……。


リヒトはそう考える。