「俺…かなり弱めに出したつもり…


 いつもだったら、手のひらの上に

 水が作られるぐらいなんだが……。」


言い終えると…

リヒトは、手を握ったり開いたりして

自分の手を見つめる。


「そうなんですか…。

 リヒト君…別の属性は……出せますか…?」


「分からない…。」


「今、やれますか?

 って家では…

 やってはいけないですよね…。」


「そっそうだな。」


「……でも…あの…
 
 氷はもう…無くなっています…ね。」


リリーに言われて気付いた。

さっきまでカチコチに凍っていたところが…


いつの間にか、元通りになっていた。


「いつの間に!?

 どうやってなくなったんだ…?」



「私にも…よく……。」


リリーは…んー。と言いながら、

腕組みして考え始める。