―精霊の祖の恋物語― 後編





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唇を離したリヒトは、笑みを浮かべ、

愛おしくリリーを見つめる。

リリーは脱力してリヒトに寄り掛かる。


「リリー。」

リヒトは名前を呟くと、

顔をリリーの首元に持っていく。



リリーは首元にチクリと

痛みを感じた。

「リヒト…君?」

まだ少しボーッとした感じで名前を呼ぶ。


「ん?」


「今のは…?」

不思議そうな顔で俺を見てきた。


「リリーは、俺のものっていう印を

 付けたんだよ。」

前にやった覚えがあったけど…

…忘れたのか?


ポッと顔を赤くして俺の方を向くリリー。

「そうなんですか?」


「あぁ。」

リヒトはニッコリと微笑むと、

また唇を重ねる。