俺はリリーの腕を引っ張り、
引き寄せて抱き締めた。
「俺はお前から、離れる気はない。」
「リヒト君ッ…?」
声を震わせてリリーは俺の名前を言う。
「リリー。俺が世界で一番大切なのは
お前なんだよ。もう、目の前から
消えていって欲しくない。」
リリーは目を見開いた。
「……。」
「もう、寂しい顔をさせることもして
欲しくない。リリーは笑顔でいてほしい。
ずっと…俺の傍で。」
「でも……迷惑ッ…。」
「迷惑?別にそんな事、
少しも思ったことが無い。
俺はただ、リリーを守りたかったから…
だからまた、
俺の傍で笑顔でいてほしい。」

