―精霊の祖の恋物語― 後編





「リヒト君なら、私の考えなんて、

 すぐに分かりますよね。」

そう言いながら、リリーは俺に近づく。

俺とリリーの距離約1メートル…。

はじめ会った時よりも、近いが…

一緒にいたときと比べると…遠く感じる。


まるで、今の俺とリリーの現状を

表しているように思えた。


「なんで…俺を選ばなかった?」

俺がまず聞きたいことだ。


「それは…。リヒト君を危険な目に

 合わせたくないから……。

 私は、いろんなひとに狙われるんです。

 そんな私が、リヒト君の傍にいたら、

 きっと…。」

やっぱり…そうだったのか…。


「俺は、そんな事。気にしない。


 それよりも、お前傍にいれない方が、

 俺にとってはキツい。」

俺の言葉を聞いて、リリーは

俺の目を真っ直ぐ見てきた。