「リヒト君なら、私の考えなんて、
すぐに分かりますよね。」
そう言いながら、リリーは俺に近づく。
俺とリリーの距離約1メートル…。
はじめ会った時よりも、近いが…
一緒にいたときと比べると…遠く感じる。
まるで、今の俺とリリーの現状を
表しているように思えた。
「なんで…俺を選ばなかった?」
俺がまず聞きたいことだ。
「それは…。リヒト君を危険な目に
合わせたくないから……。
私は、いろんなひとに狙われるんです。
そんな私が、リヒト君の傍にいたら、
きっと…。」
やっぱり…そうだったのか…。
「俺は、そんな事。気にしない。
それよりも、お前傍にいれない方が、
俺にとってはキツい。」
俺の言葉を聞いて、リリーは
俺の目を真っ直ぐ見てきた。

