―精霊の祖の恋物語― 後編





「リリー…?」

俺はリリーの名前を呟く。


すると…リリーは首を傾げる。

「なんですかリヒト君。」


「なんで…ここに。」

未だに状況について行けない俺。


「リヒト君が、またここに来るかと…

 思いまして……。」

ニッコリと笑みを浮かべて言うリリー。


そんなリリーの笑みを見てやっと

落ち着いてきた。

「…そうか。…それで、なんであの時。」


俺の言葉を塞ぐようにして、

リリーが先に言う。

「リヒト君の前から消えた理由ですか?」



「…そうだよ。」