それから、数年…今日までリリーは、

戻ってきていない。


最後のリリーの“ありがとう”という

言葉で分かった。


いや、もっと前から分かって

いたのかもしれない。


それを気のせいだと思いた

かったのかもしれない。でも…。


最後の言葉とリリーの寂しそうな顔で

…分かった。


俺から離れようとしていると…。



声を掛けるが…

リリーは空へ飛んで行った。




そして…。

リリーは俺の元に戻らなかった。