―精霊の祖の恋物語― 後編





「リリーッ。落ち着けッ。

 俺の事はいいから、落ち着けっ。」

リヒトはリリーの肩をガシッと掴んで、

リリーの目を真っ直ぐ見た。


「そんなことが出来るかッ。」

と言うと、悪魔を睨む。


「リリー。貴方は乗せられてるッ。

 挑発に真に受けるのではありません。」

ユノが入ってきて、リリーを何とか抑えた

リヒトは「ふぅ。」と一息つき、安心する。


「本当にお前…人間か?

 そう単純に行かねーのか。


 さすが、あの第三位の神の選んだ人間

 というわけか…。見縊ってたな…。」


「チッ。」と、舌打ちをする悪魔。


「何をしようとしているんだ…?」

悪魔を冷たい目で見るリヒト。


「あんだけ言っても、冷静で怒鳴りも

 しないとは…。」

悪魔は全く笑わなくなった。