―精霊の祖の恋物語― 後編





「いいんじゃな?ユノ。」

もう一度リリーが聞くと、ユノは頷く。

「えぇ。後はお任せいたします。

 私は、悪魔の片づけにいかなければ

 なりませんからね。」



「……ユノ…悪かった…。」

ジュピターという男は頭を下げて、

弱々しく謝った。


「今更、命乞いですか?やめてください。」

ユノは初めて動揺を浮かばせて言う。


顔を上げるとジュピターという男は、

不気味な笑みではなく、

穏やかな笑みを見せる。


先程と全く様子が違うため、

リリーやリヒト。他の皆は、

固まってその様子を見ていた。


「いや、ただ言っただけだ。

 お前は…強いな……。」


ジュピターの言葉に

ユノは目を見開いた。


そして…

綺麗な笑みを浮かべてこう言った。

「昔の貴方の方が…お強いお方でした。

 そんな方が、こんな無様で残念です。」