―精霊の祖の恋物語― 後編





「いいんです。もうあんな人。

 私の知っているジュピター様じゃ

 ありません。あの方はもう……

 とっくに死んでしまいました。」

ユノは悲しい顔を見せながらも、

真っ直ぐな目をして言い切った。


ジュピターという男はそんな

ユノを見てか、ハッと目を見開く。


その瞬間…

今までとは違う様子になり、

あの不気味な笑みを浮かべていた者と、

同一人物とは思えないぐらい違う表情を

見せる。


「……ユノ…。」

辛そうな表情でユノの名前を言う

ジュピター。