―精霊の祖の恋物語― 後編





「いやぁ~、一回地獄に落ちたんだよ。

 それから悪魔とは何か気が合ってな。」


リリーは、ギリッと歯ぎしりする。

「最悪野郎じゃな…。元神とはいえ、

 悪魔と話をするとは…。」


男は何でもないように、

顔は全く変化なく、ヘラヘラしていた。

「そうか?でも窮屈だろ?

 この世界もそうだが、神界なんてよ。

 ない方がマシだ。」


「お前の言葉は聞く気はないわい。」


「あッ。そういえば…。

 外では悪魔が大暴れ中。

 いいのか?放っておいて…?」


「そんな心配要りませんよ?」

リリーが答える前に何処からか

……声がした。


ジュピターという男は、

今までずっとふざけた様子だったが…


その声を聞いた途端、驚愕の顔で

「何ッ!?」と声を荒げて言った。


その声の持ち主は……。