「よぉ。久しいぶりだな。

 リリーさんよ。」

…低い男の声が教室に響く。


土埃は収まり、

一階のリヒト達の教室は…

もう窓側の壁は破壊。廊下側まで瓦礫。


リヒトは後ろを見た。

この教室にいた人や、廊下に様子を

見に来た人たちも被害が少し及び、

軽傷の人もいるみたいだ。


でも、リリーの炎の壁で最低限の

被害だったと言えるだろう。


もし…

リリーが火の壁を作らなかった場合……

確実に重傷者が出ていただろう。


そんなリリーを学園の生徒たちや教師は

目を見開いて見ていた。


椅子や机も半分以上が爆発の衝撃で

壊れており、外には…

髪は少し黒い色が混じった銀髪に

エメラルドグリーンの瞳を持つ、

黒い衣装をまとった不気味な男がいた。