―精霊の祖の恋物語― 後編




「リリーさんが、精霊の祖だったのを

 知っていてずっと一緒にいたのか?

 君は…。」


「それがなんですか?

 リリーが精霊の祖だとして

 何故離れなければいけないんですか?」

リヒトの言葉に…教室はシーンと静まる。


そんな中で、リリーは口を開いた。

「お主らが我を許せないというのは、

 今まで見ててもう分かっておる。

 じゃから、我の悪口はいくらでも

 言ってもよい。慣れておる。


 じゃがな…リヒトの悪口は見逃せん。

 …もしそんな事を言った不届き者は

 絶対に許さん。」


リリーの言葉に一人の女子が言った。

「精霊の祖が何…綺麗ごとを

 言っているのよッ!?


 リヒト様に気に入られたいだけでしょっ。

 貴方のせいで、この世界はッ。

 狂ってるのよッ。早く目の前から

“消えなさいよ”。」