「悪い…。」
カルロが反省して静かになっていると…
アウラがリヒトに声を掛ける。
「それで…どういう事かしら。」
アウラの声掛けに応じたのはリリーだった。
「ごめんなさい。それを話すことは、
できません。
私のお世話になってる人から
誰にも話さないでくださいと
言われていて……。」
リリーはそう静かに言うと…目を瞑る。
暫く経つと、目をぱっちりと開く。
リリーは…ある強い決断をした。
「でも……やっぱり、“言います。”
ただし…それを聞いて自分達も
何かやるとか馬鹿なことは
言わないでください。
これは、私達の問題です。仕事です。」
リリーは真剣な目を向けて言う。
クラス教室は静まった。
リリーの声を聞こうとしているだろう。

