―精霊の祖の恋物語― 後編





「悪い…。」

カルロが反省して静かになっていると…

アウラがリヒトに声を掛ける。


「それで…どういう事かしら。」

アウラの声掛けに応じたのはリリーだった。


「ごめんなさい。それを話すことは、

 できません。

 私のお世話になってる人から

 誰にも話さないでくださいと

 言われていて……。」

リリーはそう静かに言うと…目を瞑る。


暫く経つと、目をぱっちりと開く。

リリーは…ある強い決断をした。


「でも……やっぱり、“言います。”

 ただし…それを聞いて自分達も

 何かやるとか馬鹿なことは

 言わないでください。


 これは、私達の問題です。仕事です。」

リリーは真剣な目を向けて言う。


クラス教室は静まった。

リリーの声を聞こうとしているだろう。