そうして保健室を出たリリーとリヒトは、 競技場へ向かう。 先程のことを少し話しながら…。 「それで、リリー。 さっき乗っ取られたって言っていたが、 もう大丈夫なのか?」 ビクッと震えたが、小さい声で答える。 「…はい。大丈夫です。」 「リリーを乗っ取るって…。」 リヒトがそう呟くと、リリーは説明を始めた。 「前にお話しましたが、私は元々、神と 呼ばれているものでもありました。 今もそうかも知れません…。 ここに来たのは、頼まれたからです。」 「あぁ。…そう言っていたな。」