「「……。」」
二人は固まる。少し時間が経つと…。
「リリー。本当に大丈夫だよな?」
話の話題を変えて、先ほどのことを
触れないようにして喋るリヒト。
リリーもコクンと頷いてリヒトに合わせた。
「はい。大丈夫ですから、競技場に戻ります。
リヒト君と試合…やるんですから。」
リリーの言葉に目を見張り、反対する。
「安静にしてたほうがいい。」
「いえ。もう大丈夫です…。行きます。」
リリーはリヒトを真っ直ぐ見て言った。
「また、倒れたりしたら…。」
やっぱり納得できないリヒトは、
「止めたほうがいい。」と言い聞かせるが…
「不穏な空気がありません。
先程は変な感じがあったんです。
一瞬でしたが…。でも今はありません。
大丈夫です!」
リリーはまだ諦めない。
「でもな…。」
「早く行きますッ!私……
試合。というのもやっぱり…
やってみたいんです!お願いしますッ。」
リリーは頭を下げてお願いした。

