―精霊の祖の恋物語― 後編





10分ほど経つと、リリーが目を開けた。


「リリーッ!?」

リリーの名前を呼びながら、顔を覗く。


「…リヒト…君。」

リリーがゆっくり体を起こし始めたため、

リヒトはそれを手伝う。

「大丈夫か?」


リヒトの方を見て、微笑みながら言った。

「はい、もう大丈夫です。

 苦しさはありません。」


「…良かった。」


「心配させてごめんなさい。

 でももう大丈夫ですから。…あの。」


「何だ?」

リヒトは微笑み掛けてリリーに聞いた。


「ここ…どこですか?それから…この方は?」