10分ほど経つと、リリーが目を開けた。 「リリーッ!?」 リリーの名前を呼びながら、顔を覗く。 「…リヒト…君。」 リリーがゆっくり体を起こし始めたため、 リヒトはそれを手伝う。 「大丈夫か?」 リヒトの方を見て、微笑みながら言った。 「はい、もう大丈夫です。 苦しさはありません。」 「…良かった。」 「心配させてごめんなさい。 でももう大丈夫ですから。…あの。」 「何だ?」 リヒトは微笑み掛けてリリーに聞いた。 「ここ…どこですか?それから…この方は?」